CRS対策その1~海外の住所の取得~

CRS 海外住所共通報告基準(CRS)

CRSの要件を詳しく見てみると、外国の住所が記載されている口座を抽出して、その記載住所の国ごとに分別して、その国の税務署に口座情報を送るということです。ここで重要なのは、国籍ではなく、この口座名義人の住所で分別するところです。

例えば、香港のHSBCに口座を持っている日本人であっても、その香港の口座の住所が香港であれば、日本の金融庁には送られないことになります。

香港の住所証明では、水道料金などを銀行に提出する必要があり、実際に香港に20万円のアパートを借りて、水道料金を払うのは現実的ではありません。住所証明で一番強いのが、銀行が出す英文の証明書などです。

さて、銀行口座を開いて、しかも、住所証明を出してくれて、さらには、OECD加盟国でない国があります。ただし、各国の金融機関は口座開設に相当厳しくなっています。今では香港など、日本人ならマイナンバー提出が義務づけられています。

まだ、旅行者でも銀行口座を開ける国があります。早いうちにやっておくのが手です。別にCRS対策とは言わないまでも、日本以外に銀行口座を「保険」として持っているのが賢い考えではないでしょ うか。